「家の中では歩けているから、まだ大丈夫」
そう思っている方や、ご家族も多いのではないでしょうか。
実際に私が訪問している方の中にも、家の中では歩けている方がいます。
手すりや壁を伝えば歩けますし、外でも押し車があれば歩くことができます。
歩こうと思えば歩けるんです。
でも、お話を聞いていると、「歩ける=外に出られる」ではないんだなと感じます。
行きはよくても、帰ってこられる自信がない
その方の場合、10分、20分と歩く時間が長くなるにつれて、だんだん足が重たくなってきます。
「行きはいいけど、帰ってこられるか分からない」
そんな不安があります。
めまいもあるため、途中で倒れてしまったらどうしようという怖さもあります。
買い物に行けたとしても、今度は買ったものを持って帰れるのかが心配になります。
そもそも足が重たいので、「歩こう」と思うこと自体がおっくうになってしまうこともあります。
家の中を歩けている姿だけを見ると、「まだ大丈夫そう」に見えるかもしれません。
でも実際には、外へ出るためにいくつもの不安を抱えている方がいます。
外に出なくなると、変わるのは身体だけではありません
私が気になったのは、歩くことだけではありませんでした。
外へ出る機会が減ると、人と会うことも少なくなります。
近所の方と顔を合わせて話をすることも減り、自然と会話そのものが少なくなっていきます。
その方から、
「情けない……」
という言葉を聞くことも増えました。
以前はできていたことが、思うようにできなくなっていく。
その気持ちは、身体の状態だけを見ていても分からない部分だと思います。
食事にも変化がありました。
買い物に行かなくなるので、家にあるもので済ませることが増え、食べるものも同じようなものになりがちでした。
食欲が落ちたり、寝つきが悪かったり、夜中に目が覚めたりすることもありました。
もちろん、こうした変化がすべて外出が減ったことによるものだとは言えません。
ただ、訪問を続けていると、身体だけではなく、その方の生活全体を見ることの大切さを感じます。
私が訪問で意識していること
その方は膝にも痛みがあります。
そのため施術では、膝の痛みや動かしにくさを確認しながら、筋肉をほぐす施術や関節運動などを行っています。
ただ、それと同じくらい私が意識して見ているのが、その日の気持ちの状態です。
人なので、気持ちが落ち込んでいる日もあれば、少し元気な日もあります。
少し気持ちが上向いているなと感じた日には、施術が終わって私が帰るときに、
「玄関の外まで一緒に行きませんか?」
と声をかけることがあります。
ほんの少しです。
いきなり「買い物に行きましょう」ではありません。
まず玄関から一歩、外に出てみる。
外に出ることへのハードルが少しでも下がればいいなと思ってやっています。
もちろん、その日の身体や気持ちの状態を見ながらです。
「今日、何食べます?」も大切な会話です
食事についても、訪問したときによく聞きます。
「昨日は何食べました?」
「今日は何食べるんですか?」
そんな普通の会話です。
そこから、
「今これが旬ですよ」
「スーパーにこんなの並んでましたよ」
なんて話をすることもあります。
食事の状態を知りたいという理由もありますが、もう一つあります。
外に出る口実をつくりたいんです。
「それ食べたいな」
「ちょっと見に行ってみようかな」
そんな小さなきっかけでもいいと思っています。
「最近、食欲が出てきた」と聞けたこと
この方への訪問は、できるだけ朝9時に行くようにしています。
9時に訪問するとなれば、それまでにまず起きてもらう。
そして、
「朝ごはん食べました?」
と毎回聞きます。
食べていなければ、
「じゃあ施術が終わったら食べましょう」
と声をかけます。
特別なことをしているわけではありません。
でも、そんなやり取りを続けているうちに、朝ごはんを食べる習慣が少しずつついてきました。
あるとき、
「最近、食欲が出てきた」
と話してくれました。
朝ごはんを食べるようになって、今では3食食べるようになったと聞いたときは、本当にうれしかったです。
訪問鍼灸マッサージというと、どうしても「痛いところを施術する」というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それは大切なことです。
でも私は、こういう生活の中の小さな変化も大切にしたいと思っています。
私が目指しているのは「歩けるようになること」だけではありません
この方にどうなってほしいかと考えたとき、私の中では「何メートル歩けるようになってほしい」ということだけではありません。
また毎日のように買い物に行って、気分転換ができたらいいなと思います。
自分が納得するまで、思いっきり家の掃除ができたらいいなとも思います。
そして近所の友達と会って、
「あら、久しぶり」
なんて、前のように立ち話ができたらいい。
これからの生活や終活についても、その方自身が少しずつ前向きに考えていけるようになればと思っています。
歩くことは目的でもあります。
でもその先にある、
「自分で買い物に行く」
「自分の家を掃除する」
「友達と話す」
そんな普通の日常を大切にしたいんです。
身体だけでなく、生活の変化も共有しています
訪問の中で気づいたことは、私だけが知っていればいいとは考えていません。
食事の内容や、最近の気持ちの変化なども施術報告書でケアマネジャーさんへお伝えしています。
また、月に1回は電話でも状況を報告し、今後どうしていくのがいいのかを相談するようにしています。
私一人ですべてを解決できるわけではありません。
だからこそ、ケアマネジャーさんや医師、ご家族など、その方に関わっている人たちと一緒に考えていくことを大切にしています。
家の中では歩ける。そんな段階でもご相談ください
「まだ家の中では歩けるから」
「訪問鍼灸マッサージをお願いするほどではないかな」
そう思われるかもしれません。
でも、家の中で歩けることと、安心して外へ出られることは同じではありません。
行ったら帰ってこられるだろうか。
途中で転んだらどうしよう。
買った荷物を持って帰れるだろうか。
そんな不安から外出する機会が減っているのであれば、一度お話を聞かせてください。
ギフト訪問はりきゅう院では、まず無料相談で身体の状態だけでなく、今の生活で困っていることや、これからどう過ごしていきたいのかもお伺いします。
その場で利用を決めていただく必要はありません。
よくあるご質問
Q. 家の中を歩けていても、訪問鍼灸マッサージを利用できますか?
家の中では手すりや壁を使って歩けていても、一人での外出や通院が難しい方はいらっしゃいます。
医療保険を利用した訪問施術の対象になるかどうかは、身体の状態などによって異なります。
「自分の場合はどうなんだろう?」という段階でも、お気軽にご相談ください。
Q. 医療保険を利用できますか?
医師の同意など一定の条件を満たす場合、医療保険を利用して訪問施術を受けることができます。
医療保険を利用する場合の手続きについても、無料相談の際にご説明します。
Q. 無料相談をしたら、そのまま利用しないといけませんか?
いいえ。
無料相談では、身体の状態や生活で困っていることをお聞きしたうえで、施術内容や料金、医療保険を利用する場合の手続きなどをご説明します。
その場で利用を決めていただく必要はありません。
まずは今困っていることを聞かせてください
「うちの場合も相談していいのかな?」
という段階でも大丈夫です。
身体のことだけでなく、
「最近、親が外に出なくなった」
「一人で買い物に行くのを怖がるようになった」
「家では歩いているけれど、通院するのは難しい」
そんな生活の中で感じていることも聞かせてください。
これからどのように進めていくのがよいか、一緒に考えていきましょう。
あなたがあなたらしく生きていくために。
この記事を書いた人
ギフト訪問はりきゅう院
代表 近藤 聡
国家資格:はり師・きゅう師
整骨院勤務14年以上・院長経験10年以上
高槻市・茨木市・枚方市・島本町・吹田市を中心に、ご自宅・施設へ訪問しています。
その他の地域についてもご相談ください。
